「そんな根も葉もないこと、言うもんじゃないよ」:迷信を笑えない

大根

大阪は朝から雨ですが、

みなさんのお住まいの地域はいかがですか。


昨日は、大阪府高石市での勉強会でした。

個人のお宅に招待されてのご縁でしたが、

いろいろ準備して頂いて、感謝です。


話の内容は、「因果の道理」でした。

これは、原因と結果の法則ということですが、

お釈迦様は、私達の運命についての原因と結果の法則を

明らかにされているんですね。


ところが、その法則を知らないと、いろいろな迷信に

振り回され、よけいひどい目に遇う事もよくあります。


昨日の講座の中で話をした小話をみなさんにも

紹介したいと思います。

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縁起かつぎのドン太が、大根の種をまくのに畑にいった。

途中、近所の春子が、ほほをかかえて、小走りでゆく。

「春ちゃん、どうした」

とたずねると、

「歯を虫が食って、昨晩からねむれんので、歯医者さんにゆくの」

と言った。

「歯(葉)を虫が食ったって。縁起でもない。こんな日に種まけば、ロクな大根にならんわい」

プンプン言って、家に引き返した。

あくる日、出かけると、隣の弥兵衛に出会う。

すれちがった弥兵衛が、手ぬぐいを落としたのに気がつかない。

拾ってやると、

「はばかりさん」

と、礼を言われた。

「なんだこのやろう。はばかりさんとは縁起でもない。葉ばかりの大根ができてたまるか」

また、家へ帰ってしまう。

〝今日こそは、だれに会っても、なにも言うまい〟

翌日は、決心してでかけた。

ところが、イヤなことに向こうから、村長がやってくるではないか。

村長に、あいさつせぬわけにはゆかぬ。

そこでドン太、最初から断った。

「村長さん、おはようございます。実は朝からお願いですが、今日は、これ以上、なにも話さずにいってくだされ」

「私が、ものを言うのが悪いのかな」

「いや、別に、悪いというのではありませんが……」

と、一昨日はこんなことで、昨日はこうでと、大根まきができずに困っているワケを話して、了解を求めた。

それを聞いた村長さん、カラカラと笑ってこう言った。

「ドン太さん、そんな根も葉もないこと、言うもんじゃないよ」

〝根も葉もなかったら、大根じゃない〟と、またまた大根まきができなかったという。

ドン太を笑えぬ迷信の、いかに多いことか。

迷信を破らなければ、大根まきもできない。

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馬鹿な男だと笑う事は簡単ですが、

「落ちた」とか「すべった」というと受験生が

「縁起でも無いことを言わないで!」

と腹を立てたり、よく似た事が沢山あるように思います。


自分の運命は自分の行為が生み出すものとお釈迦様は

教えられていて、私達も普段はそうだと思って行動して

いるのですが、苦しい事や困った事が起きると、

いろいろな迷いが出て、普段なら信じないような事でも

寄りかかってしまうのかもしれないですね。


次回は、そんなエピソードをもう一つ紹介したいと思います。